Ukiuki Street,#414

小沢健二中心に、好きなものを色々絡めつつ。

人種主義について考える

人種主義。

「肌が黒い人間がいるけれど、自分達とは違う。人間は一種類ではなく、人種というものがあるに違いない。そうだ、自分達は白人で、ヤツらは黒人だ。だから根本的に何もかも違う。猿と人間が一緒に暮らさないように、白人と黒人も一緒に暮らさない。」

そういう主義。


なぜそんな主義を生み出したかと言えば、自分達が優位に立つ社会を築き上げるためには、たぶんそうするのが都合が良かったからだ。自分達は高尚な文明を持っているから頭を使う仕事をして、体を使った労働は、野蛮なサルに似た黒や黄色の【ヒト】にさせればいいと。そして決定権は常に白人にある。白人には知恵があるから。


人種差別という言葉は、好き嫌いの感情によって、まさしく差を別ける行為を指している。differenceをclassificationすることには別に深い意味なんてない。

一方で、人種主義は暮らしの基盤を支えるシステムに関わっているから根深い。しかも主義という言葉でもっともらしく掲げられていて、問題視されにくい。

大昔、自称白人達が人種というものを生み出し築いてきた社会は、長い歴史の途中で徐々に傾き、今や抜け落ちる寸前の乳歯のようにぐらぐらしている。人々が声をあげ、誰にだって人権がある、命があると叫び、性別や皮膚の色や骨格が違うことで「人種が違う」と言われることに違和感を持っている。

最初から人種などない。人は人、一種類の人間。きっとそれが、これからのスタンダード。